Storm -ただ "あなた" のもとへ-


「フェリックスは成介に何を渡したんだ?」


顔をオムライスに向けたまま、ちらりと上目遣いで見上げた。


「おまえの毎月の健康診断書」


涼は皿から顔を上げなかった。


「まったくレディーの中身を他人に晒すなんて、デリカシーの無い奴だ」


綺樹の軽口に涼はただ微笑した。


「それがなぜおまえを戻したの?
 私の前に現れることになったの?
 健康優良児というわけではないけど、何か重病を抱えているわけではないのに」


涼はスプーンを置くと綺樹を眺めた。

いくらか垣根がとれているが、まだ疑問が晴れずに警戒している感じだった。


「このままいくと後何年で過労死だ?」


自分で言ってやや恐怖感に包まれ、綺樹を見つめた。