Storm -ただ "あなた" のもとへ-


料理作りに集中していると気が紛れた。

確かに時間は流れた。

ただ綺樹は愛していると言ってくれる。

それにかけていくしかあるまい。

新聞を広げて読みながら食べているとドアが開いた。


「いい匂いだ」


スプーンを止めた。

しっかりと熟睡していると思っていた。


「どうした?」

「うん、眠れなくなって」


綺樹は向かい側に腰をおろした。


「食うか?」

「うん」


涼は食べていた皿を滑らせた。


「新しく作るから食べてろ」


綺樹はスプーンを口に運んだ。


「仕事、ミスった?」


突拍子の無い質問に振り返った。