Storm -ただ "あなた" のもとへ-


「そんな感じだな。
 時々、発音があやしい」

「そうだろう?」


目で時計を探している。


「さやかとは、周囲に聞かれたくない話は日本語だけど、それ以外は英語だ。
 アメリカンイングリッシュとクイーンズイングリッシュだから、時々単語の使い方で、理解に時間がかかることがあるけど」


テレビに映っているデジタルを見た。

寝ていたのは1時間ぐらいか。


「フェリックスとが」


綺樹は言って、しまったと思った。

空気が一瞬冷えたが、気が付かないふりをして続けた。


「同じクイーンズイングリッシュでタイムラグが無いけど、喧嘩の時はお互いオックスフォードとケンブリッジなまりを強調して侮蔑しあう」


涼は何もコメントもせずに立ち上がった。