「なぜフェリックスも、さやかも放っておいてくれないの?
やるべきことはやっているじゃないか」
さやかはため息をついて立ち上がった。
「全く、やっぱり二人とも抹殺だわ。
男にそんなに振り回されるなんて」
綺樹も立ち上がった。
「うん、さやかが男だったら振り回されてみたかったな。
か、私が男でさやかに夢中になるか」
同い年の従姪の容姿を眺める。
さやかは鼻先であしらうと歩き出した。
「いま、さやかの男は誰?」
並んで廊下を歩く。
さやかの口元が笑った。
「はいはい、言わない気ね」
昔からそうだ。
「でもさやかだって、そろそろ身を固めなきゃいけないだろう?
このダバリードの行く末を考えて」

