Storm -ただ "あなた" のもとへ-


綺樹は噴出した。


「そう?」

「こんなにあなたを煩わせるとはね。
 仕事に差し障るわ」


綺樹は頬杖をついた。


「女王。
 あなた性別を間違えたよね。
 まあ、時代が時代だから、女でもそんな不利ではないけど」


さやかは綺樹を一瞥した。


「私が男だったら、とっくにフェリックスと涼はいないわよ。
 どんな策でも練って、あなたを夢中にさせていたわ」


綺樹は頬杖を付いたままくつくつ笑う。


「ダバリードのためにね」

「そうね。
 綺樹、言っておくけれど、仕事さえ出来ればうちだろうが、どこだろうが構わないとは思わないほうがいいわよ」


綺樹は笑みを引っ込めて、さやかの言わんとしていることを探ろうとした。