Storm -ただ "あなた" のもとへ-


  *

ただただずっと抱きしめられているのに、正直綺樹は困惑した。

そしてやっぱり、ひどいことを言い過ぎたと後悔した。

涼のいう事は正しい。

誠実に行動すれば、それでいいという訳ではない。

涼はやっぱりちょっと変わった。

強くなったというのか、ふてぶてしくなったというのか。

まっすぐ向かってくるようになったというのか。

昔どおりだったら電話をしてこないだろうし、会いたいなんて言わない。

何か言いたくて会いたいなんて言ったのかと思ったら、本当に会いたかっただけみたいだし。

綺樹はぼんやりと考えながら、机上のペンを指先で転がしていた。