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ただただずっと抱きしめられているのに、正直綺樹は困惑した。
そしてやっぱり、ひどいことを言い過ぎたと後悔した。
涼のいう事は正しい。
誠実に行動すれば、それでいいという訳ではない。
涼はやっぱりちょっと変わった。
強くなったというのか、ふてぶてしくなったというのか。
まっすぐ向かってくるようになったというのか。
昔どおりだったら電話をしてこないだろうし、会いたいなんて言わない。
何か言いたくて会いたいなんて言ったのかと思ったら、本当に会いたかっただけみたいだし。
綺樹はぼんやりと考えながら、机上のペンを指先で転がしていた。

