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家を出た涼は、今のことを整理する事が健全とはわかっていながら、バーで杯を重ねていた。
自業自得だとわかっている。
過去の綺樹に対する自分の不誠実さはずっとわかっていた。
そのつけだってことも。
両肘をついて持っていたグラスを額につけた。
でも、だ。
それをああいう形でやり返されると、な。
苦笑しか出てこなかった。
本当に綺樹との関わりをやめたいと何度を思ってきたか。
そして色々な手段を講じた。
手段というのか逃げというのか。
男としては最低な態度の数々をとってきた。
無理だとわかっていても。
そう。
でも、無理なんだ。
だから、進むしかない。

