「おまえ、いつからフェリックスさんと関係を持つようになったんだっけ?」
何気なく疑問がわき、たいして考えもせずに口にして後悔した。
「いや、思い出した」
「そうだろう?」
綺樹は皮肉たっぷりだった。
「おまえが私を切り捨てた時だ」
綺樹の顔がひきしまり、瞳に力が入った。
あの時のことを思い出すと、今でも傷がえぐられる。
再び涼と関係を築こうとして、考えまいとして目を逸らせていた過去が襲い掛かる。
涼はずっと単なる友人関係の維持を無言で強要した。
一時は甘い恋人関係を過ごした後で。
もしかしたら、また・・。
涼への不安感が途端に膨らむ。
「だけどおまえとの結婚で終わっていたよ。
Steadyになったのはここ半年だ」
その英単語は涼に突き刺さった。

