「なんだよ」
綺樹は機嫌を損ねた顔になる。
涼は綺樹に近づいて抱きしめ、髪に顔を埋めた。
「ただの同棲でなくて、法的に関係を結んでおかなければ、おまえは簡単にどこかにいくだろ」
「どこか?」
「男、全部清算しとけよ」
またそれか。
綺樹は軽く突き飛ばすようにして涼から離れ、いらただしそうにグラスを空けた。
「よっぽど私が節操ないみたいだな。
フェリックスの他に寝ている男なんていない。
あいつもおまえと同じでプライドが高いから、他の男は排除だ」
自分でグラスに注ぎソファーに座ると足を組んだ。
「それに当主代理だ。
寝なくたって仕事は一緒にしていく」
涼もグラスを一気に空けた。
他にいない。
それは問題にしかならない。

