Storm -ただ "あなた" のもとへ-


綺樹の身動きする音に涼はベットから降り、スウェットのズボンをはいた。

寝室から出る。

今、一緒にいるとフェリックスと同じ事をしそうだった。

リビングボードを開けると、グラスにスコッチを並々と注いであおった。


「涼?」


バスローブ姿で綺樹がリビングに入ってきた。


「大丈夫か?」

「大丈夫、だ。
 先に寝ててくれ」


涼はこちらを見もしない。

綺樹はためらった。


「そう見えないんだけど」


その言い方に涼は笑った。

頂戴と言わんばかりに空のグラスを隣に置く。


「昨日、退院したばかりだろう」

「百薬の長だ」


にやりと笑っている。