水の入ったグラスを両手で挟んで、視線を水面に落とした。
「そんなに・・急がなくてもいいんじゃないか?」
涼は表情を止めた。
「プロジェクトが一山越したときにでも」
「それはいつだ?
一年か?二年か?
駄目だ」
綺樹は涼に視線を上げて味噌汁を飲んでいる姿を見た。
なぜこの所、私の周りは強引な男が多いんだ。
なんだか涼らしくない気もした。
以前は機嫌が悪くなるか、一声吠えて、結局譲ってくれていた。
涼は綺樹の視線に気が付いた。
「じゃあ、なぜおまえはもっと先にしたいんだよ」
綺樹の戸惑った表情に、涼はダメ押しをした。

