「全く、さやかはどっちを謀ったんだろうな。
“棚ぼた”でおまえを抹殺しようとしたのか、そう見せかけて私が携帯事業をやるように仕向けたのか。
どっちに転んでもおいしいと思ったんだろうな」
ぶつぶつと独り言のように言っている。
「なんせ、携帯事業は一度私が蹴った仕事だし。
全く災難だ」
それは悪かったな。
涼はむすっとしてお椀を手に取る。
「おまえ、ウルゴイティの弁護士の連絡先、教えろよ」
「なに?」
突然の話題の飛び方に綺樹は手を止めた。
「西園寺の弁護士と連絡を取り合って、婚前協定書を作成させないといけないだろ」
「はい?」
涼はぴしりと箸をおいた。
「そのプロジェクトで忙しくなるだろう。
その前に結婚を済ませておいたほうがいい」
綺樹は涼の顔をまじまじとみつめた。

