Storm -ただ "あなた" のもとへ-


「携帯事業、成功させてくれるのでしょう?」


出て行こうとノブを掴んでいた綺樹は、そのまま振り返った。


「ああ。
 成功させる」


さやかはにっこりと笑った。


「よかったわ。
 私もあなたを失いたくないもの」


綺樹も笑った。

言った側からこれだ。

これで失敗でもしようものなら、どんな生き地獄を涼に用意するやら。

それは同時に私も失う。

でもそうはならない策を練りかねない。

それが怖い。

涼の安全策も考えとかないと。

綺樹はげんなりとした気分だった。