Storm -ただ "あなた" のもとへ-


  *

アポイントメントもとらず、いきなり綺樹はさやかの書斎に入っていった。

秘書があわてて後から追ってくる。

さやかは下がるように手を振った。


「仕事の前に言っておきたくて」


綺樹はデスク越しにさやかの正面に立った。


「二度と涼には手を出すなよ」


静かに言った。

二人はひたりと視線をあわせていた。


「わかったわ」


どの位わかったものか。

綺樹は疑問だったが、色々言っても無駄なのは知っていた。

この女王は、やる時は入念な策を練ってやり遂げる。