* アポイントメントもとらず、いきなり綺樹はさやかの書斎に入っていった。 秘書があわてて後から追ってくる。 さやかは下がるように手を振った。 「仕事の前に言っておきたくて」 綺樹はデスク越しにさやかの正面に立った。 「二度と涼には手を出すなよ」 静かに言った。 二人はひたりと視線をあわせていた。 「わかったわ」 どの位わかったものか。 綺樹は疑問だったが、色々言っても無駄なのは知っていた。 この女王は、やる時は入念な策を練ってやり遂げる。