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綺樹はまぶたの向こうが明るいのに目を開いた。
白い病室に光が乱反射している。
音を立てて光の粒子が跳ね回っているようだった。
「気分、どうだ?」
涼が身を屈めて覗き込む。
ああ、涼だ。
休日のシャツ姿だった。
ぼんやりと見つめた。
パリッとしたシャツに、少し長くなった前髪、大人の引き締まった顔。
横顔にちょっと厳しい雰囲気がある。
いい男になった。
本当だったら私みたいのは相手にしないタイプだろう。
大人の女性。
あ、そうか、前からそういうのを相手にしていたな。
「大丈夫か?」
涼は前髪をかきあげてやる。
綺樹が嬉しそうに微笑した。

