Storm -ただ "あなた" のもとへ-


   *

綺樹はまぶたの向こうが明るいのに目を開いた。

白い病室に光が乱反射している。

音を立てて光の粒子が跳ね回っているようだった。


「気分、どうだ?」


涼が身を屈めて覗き込む。

ああ、涼だ。

休日のシャツ姿だった。

ぼんやりと見つめた。

パリッとしたシャツに、少し長くなった前髪、大人の引き締まった顔。

横顔にちょっと厳しい雰囲気がある。

いい男になった。

本当だったら私みたいのは相手にしないタイプだろう。

大人の女性。

あ、そうか、前からそういうのを相手にしていたな。


「大丈夫か?」


涼は前髪をかきあげてやる。

綺樹が嬉しそうに微笑した。