Storm -ただ "あなた" のもとへ-


押しとどめようとした医者を突き飛ばす。

綺樹はベットから転がり落ちた。

点滴のポールが倒れてけたたましい音がした。

駄目だ。

絶対に行かせない。

綺樹はベットにつかまった。

どうすればいい。

考えろ。

考えないと。

私から涼を取り上げないでくれ。

医者が止めるのを睨みあげた。


「殺すぞ」


なぎ払って引き戸に捕まる。

少し開いた隙間に体を押し込むようにして廊下に出た。


「さやか、さやかっ」