Storm -ただ "あなた" のもとへ-


「また襲われたのか?」


綺樹は床に手をついて体を起こした。


「同意の上だ」


壁につかまりながら立ち上がると、ウォーキングクローゼットへ行こうとする。


「同意?
フェリックスさんか?」


綺樹は襲われた意味を取り違えたことに気が付いたが、誤魔化す気にはもうなれ
なかった。

クローゼットはどこだっけ。

目の前が回ったのに閉じると、抱き上げられた。

肌が痛んで、のどの奥でうめく。

涼はベットに置いて薬をとってきた。

綺樹はぼんやりと目を開けた。


「ああ・・」


なにやら呟いて目を閉じた。

薬を塗る痛みに時々体をこわばらせる。

噛み傷まであった。

薬を箱にしまうと涼は綺樹の髪の毛を掻き揚げた。


「ありがとう」


手を止めた下で綺樹が目を開けていた。