Storm -ただ "あなた" のもとへ-


  *

綺樹と関係が深い時は必ず酒量が増える。

涼はウィスキーのグラスに氷を入れた。

玄関のドアが静かに閉まる音がした。

グラスを一気に空けてリビングから出た。

綺樹が玄関のドアに寄りかかったままだった。

物音に、ゆっくりと視線を上げた。

思わず涼は足を止めた。

ひどい変わりようだった。

やつれて、捨て猫のよう。

だけど、やっぱりだ。

怒りが体の中で立ち上った。

玄関ロビーの反対側で涼は壁に寄りかかり、腕を組んだ。


「男と住んでいるっていうのに、他の男と寝てくるとは、どういう神経構造だ」


その嘲笑的で皮肉っぽい口調に綺樹は口元で苦笑した。