Storm -ただ "あなた" のもとへ-


会議に出て行くとさやかはその様子に片眉をあげた。

聞かれなかったから何も言わなかったが、言いたそうではあった。

そんなにひどい様子だろうか。

綺樹は口元で苦笑する。

本社ビルだから人も多く、いつも活気があるが、さすがに夜も更けてくると段々とビルが静まってくる。

仕事がはかどりそうだ。

綺樹は水に口をつけた。

さすがに今日はコーヒーさえ受け付けなかった。

机上の電話が鳴るのにとる。


「はい」


そっけなく応答する。

一瞬間があった。


「私だ」