ドアをくぐった背後でフェリックスが錠を閉めた音がした。 闇の中に閉じ込められる。 石造りの家特有のひんやりとした温度が肌を包み、外界の音が遠ざかった。 エゴイストの香りを含んだ空気が襲い掛かってくる。 闇の中の獣が牙をむき向かってくるのを、綺樹は静かに見ていた。