Storm -ただ "あなた" のもとへ-


茶色の瞳が見上げた。

部屋に入ってきている朝の光で淡くなって、頼りなさを感じる。

それは綺樹の男女関係における精神的な弱さだ。

駄目だ。

涼は一瞬でテーブルの下に潜ると、綺樹のウェストに腕を回してテーブルの下に引き摺り下ろした。

きつく抱きしめてから自分の膝の上に乗せたまま、綺樹の耳にくちびるをつける。

綺樹は驚いて目を丸くしていた。

声を上げて笑い出す。


「すっごいびっくりした」


涼はその屈託の無い笑顔を見つめた。


「本当は行かせたくない。
 だから、絶対帰って来いよ。
 何があっても」

「わかった」


綺樹が素直にうなずき、顔をめぐらせて涼のくちびるを誘う。

こういうところは本当に上手い。

涼はくちびるをあわせながら思った。