「わかった。
風呂、沸いているぞ
冷めないうちに入って来いよ」
「うん」
俯いたまま、書類の縁を指でなぞっている。
自分の態度による、綺樹の気持ちの落ち着きの無さを物語っていた。
涼はドアのところまで行きかけ、一瞬迷ってきびすを返した。
綺樹を椅子から掬い上げて抱きしめた。
「責めているんじゃない。
妬いているだけだ」
掬い上げた突然さと同じようにどさりと椅子を置くと涼は部屋を出て行った。
関係を再び持つようになって5日でこれだ。
涼はベットに投げ出すように横になると、上掛けをばさりと被った。
本当に綺樹との関係は茨だ。
涼は目を閉じた。

