Storm -ただ "あなた" のもとへ-


「繰り返さない」


涼の意思の強い声に綺樹は驚いて顔を向けた。


「なんだって?」

「ウルゴイティの当主で、ダバリードで働いている限り、これからも色々なことが起こるだろう。
 でも必ず戻って来い。
 絶対だ。
 もう戻れないとおまえが思っても、絶対戻って来い。
 自分だけで結論を下すな。
 もし結論を下さなくてはいけないのならば、二人で一緒にだ」


綺樹はまじまじと涼の顔をみつめる。

何か言おうとして口を開くが、何も言わずに閉じる。

やっと言う言葉が見つかったようだ。


「おまえ、年取ったねえ」


いつもの綺樹が戻ってきた。

涼は声を出して笑った。