Storm -ただ "あなた" のもとへ-


今までその勇気が無かったのか、周りが手を差し伸べてくれないかと甘えていたのか。

考えつかなかった。

ちょっと腕を動かした。

シーツのこすれる音がしたが、どこか遠いところでの音のような感じだった。

何がいいだろうか。

ゆっくりと身を起こした。

落ちている服を拾う。

睡眠薬は失敗する可能性がある。

あの薬のことは、とても良く知っている。

あれは一瞬で終われない。

飛び降りは地面に叩きつけられるまでの間が嫌だ。

睡眠薬を飲んで、風呂に沈むか。

私の常用癖から考えると自然だ。

でも成功する率はどうだろう。

以前に護身用に用意したピストルはどうしたっけ。

綺樹は寝室のドアを押し、ふらつく足取りで進み始めた。