ドアが閉まって、涼にくちびるをふさがれ、肌をなぜる感触に綺樹の思考は完全に停止してしまう。
なすがままだった。
涼は服を脱がせ、肌を合わせた綺樹の体に荒れた感覚を感じた。
だからあえて言った。
組み敷いた綺樹の瞳を覗き込む。
「大事に抱かれていないな」
一瞬綺樹が体を硬直させ、息を詰めたのを見た。
瞳が揺れているが、どういう感情なのか読み取れなかった。
綺樹を取り戻すためだった。
綺樹の体から感じた感覚と対照的に、ゆっくりと優しく指をはわせる。
目を閉じたまま時々小さく声をもらすのを、涼は聞いていた。
涼はまぶたを震わせた。
ああ、綺樹だと思った。
肌触りも、体温も、香りも。
ずっと求めていたものだった。

