涼は何らかの答えを得ようと、くちびるをむさぼっていた。
頬に添えられた反対の手がうなじをなぜ、襟元に入るのに綺樹ははっとして腕をとり返し、顔を背けてくちびるから逃げた。
「やめろ」
押し戻すように綺樹は身を起こした。
髪をかきあげて、情勢を立て直そうとした。
「綺樹」
涼の瞳の色が完全に変わってしまっていた。
見抜かれてしまったのか。
綺樹は瞳を見開いて涼を見つめた。
「部屋に行こう」
返答も待たずに綺樹の腕を掴み引っ張りあげ、逃げないように腰に手を回し早足で歩き出した。
綺樹はどうすればいいのかわからず、言葉が出てこなかった。

