最短で出口へ辿りつくため案内板を見ようと思って周囲を見回した。 数歩先でぴたりと涼が立ち止まり、振り返った。 「悪い。 歩くのが早かったな」 「ああ、いや」 綺樹は口ごもって涼を追いかける。 並んで歩き出すと、涼の声が降ってきた。 「逃がさないよ。 綺樹」 逃亡しようと見抜かれたのに、ぎょっとして見上げると涼は硬い表情のまままっすぐ前を見ていた。 二度と綺樹を逃すつもりは、とうに無い。 そうでなくても綺樹を失う要因は多いのだから。