綺樹は肘をついて額から髪の毛に手を滑らせた。
涼に言う必要があるか?
縒りを戻したいというならば、知らせておいたほうがいいか?
差し出されたグラスを綺樹は一気にあおって、涼の目を見た。
「あれは交通事故じゃない」
足と腕を組み、椅子の背によりかかって綺樹を見ていた涼は、しっかりと視線を受け止めた。
「だと思っていたよ」
綺樹が口元で皮肉っぽい笑いを一瞬作った。
両手を涼に差し出すようにして見せた。
「何か変なところが無いか?」
涼は戸惑って見つめる。
「手首のところから見て」
言われてみると両手首のところに薄いピンクの線が走っている。
腕と手首の先で微妙に色が違った。
「アルコールが入るとわかりやすいんだ」

