Storm -ただ "あなた" のもとへ-


綺樹とやりなおすならば、余り周囲の環境を考えないようにしなければ、やってられない。

ウルゴイティやダバリードの地位によるもの。

対する自分の地位。

そして自分のプライド。

鈍感にならないと、また繰り返しだ。

ワイングラスが空になると、涼はため息をついた。

綺樹に顔を戻すと綺樹は自分の眉頭を指で押していた。


「どうした?」


綺樹は手を下ろした。


「なんでもない」


綺樹はフォークを手にとった。

ここは明るすぎた。

壁も床も何もかも白すぎて光が乱反射する。

それが眼球の奥のずきずきとした痛みになる。

パソコンの使いすぎだとわかっていた。


「昨日も遅かったのか?」

「うーん、1時には家にいたよ」


皿から綺樹は顔を上げなかった。