Storm -ただ "あなた" のもとへ-


「朝食?
 ああ、コーヒーを淹れたよ」


それは食べたと言わない。

突っ込むのもばかばかしかった。

涼はナイフとフォークで残っていたオレンジの皮をむく。


「ほら」


フォークに刺して口元に運ぶ。


「なに?」

「口を開けろって。
 おまえは幼児みたいにしないと食べない」


綺樹が何か反論しようとしたその瞬間に突っ込む。


綺樹の目が恨みがましく涼をにらんだ。


「次々といくぞ。
 さっさと飲み込め」


綺樹は片手を挙げて阻止すると、自分のフォークでオレンジを刺した。

一口食べてみると意外と食べられる気分になったのだろう。

順調に食べ進めていた。