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涼にこういうところを見る趣味があるとは知らなかった。
かなり熱心に展示物を眺めている。
どちらかというと全く興味の無い綺樹は、ふらふら歩いてはベンチに座って涼が
やってくるのを待つ、の繰り返しだった。
興味は無かったが、こういう時間潰しは苦ではなかった。
また、足を組んでベンチに座り、膝に頬杖をつく。
目の前のクジラらしき模型を眺めながら、涼がやってくるのを待つ。
「退屈そうだな」
涼が可笑しそうに笑った。
「そうでもないよ。
それなりに楽しい」
綺樹はちょっと微笑を上らせた。
「ならよかった」
涼は体を一回伸ばしてガイドブックを開いた。
「しかし良く集めたもんだ。
まだまだあるぞ」
「アメリカさ」
涼は微かに首を傾げるようにして綺樹の言葉を聞いた。
「そうだな。
そしてダバリードだな」
綺樹は少し考え込む。
「まあ、そうだな」

