Storm -ただ "あなた" のもとへ-


綺樹は卓上カレンダーを引き寄せた。


「土曜かな」

「わかった。
 じゃあアメリカ自然史博物館に行こう。
 一度、行ってみたかったんだ」

「冗談だろ?」

「いいや」


涼はあっさりと言った。


「じゃあまた電話する」


一方的にかけてきて、一方的に切った。

綺樹は眉を寄せて、また窓の外へ視線を投げた。

携帯を手でもてあそぶ。

もはや私の心は浮き足立ちはじめている。

箱を。

箱のふたを開けたくない。

綺樹は目を閉じると、疲れたように背もたれによりかかった。