Storm -ただ "あなた" のもとへ-


「ランチもディナーもバーもしないよ。
 もう。
 私に関わるのはやめとけ」

「じゃあ、週末だな。
 今週は土日、どっちが空いているんだ?」


こいつ、聞いていない。

綺樹の無言にまた涼の声が硬くなった。


「綺樹。
 やめられるならとっくにやめている。
 おまえに言われるまでもなく」


綺樹は指を髪に滑らせ、肘置きに肘をついた。


「なぜ、やめられないの?」

「こっちが聞きたい」


涼の口調に綺樹はつい笑った。


「あの自由な世界を捨てて、なぜ戻ったの?
 なぜ私の前に現れるんだ?」


涼が押し黙った。


「電話で言いたくない」


そうですか。