綺樹は唐突に立ち上がると、ガラス窓に寄った。 ニューヨークの街が足元に広がる。 どんと一つ拳で窓を叩く。 涼も一体なんだって縒りを戻したがるんだ。 もう関係ないだろ。 ずりずりと拳をガラス窓をこする。 皮膚が痛かった。 涼に溺れるのはもう嫌だ。 なのに再開した途端、凄い勢いで気持ちが引きずられていく。 関係ないと言い聞かせても。 このままじゃ時間の問題で、同じことの繰り返しだ。 額を窓にぶつけた。 どうしたらいいんだろう。 本当に。 綺樹はぎゅっと目を閉じた。