Storm -ただ "あなた" のもとへ-


  *

昼食の後、バルコニーに出てお茶をしていた。


「1曲。
 1曲聴きたいな」


長椅子に寝そべり、景色を眺めながら綺樹は呟いた。


「いいよ」


ユーリーは楽器をとってくると、静かに弾きだした。

目を閉じて口元に微笑を浮かべる。

フェリックスが側にいるから安心で、ユーリーのバイオリンは最高で、風も気持ちいい。

フェリックスがユーリーへ片手を挙げた。

ユーリーは弓を下ろした。


「寝ちゃったの?」

「ああ、久しぶりなのに結構長い間馬に乗っていたから疲れたんだろう」


ユーリーは綺樹の顔を覗き込んだ。


「おー幸せそうだね。
 相変わらず、寝顔は年相当だ」


フェリックスはカップを置いた。