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昼食の後、バルコニーに出てお茶をしていた。
「1曲。
1曲聴きたいな」
長椅子に寝そべり、景色を眺めながら綺樹は呟いた。
「いいよ」
ユーリーは楽器をとってくると、静かに弾きだした。
目を閉じて口元に微笑を浮かべる。
フェリックスが側にいるから安心で、ユーリーのバイオリンは最高で、風も気持ちいい。
フェリックスがユーリーへ片手を挙げた。
ユーリーは弓を下ろした。
「寝ちゃったの?」
「ああ、久しぶりなのに結構長い間馬に乗っていたから疲れたんだろう」
ユーリーは綺樹の顔を覗き込んだ。
「おー幸せそうだね。
相変わらず、寝顔は年相当だ」
フェリックスはカップを置いた。

