Storm -ただ "あなた" のもとへ-


綺樹は両手をポケットに突っ込み、葉を通して降ってくる太陽の光を受けた。

長い間、フェリックスはただ静かに綺樹の様子を眺めていた。

なぜか太陽の光を受けて嬉しそうに笑っている。

フェリックスも一瞬口元で笑うと、静かに瞬きをして立ち上がった。

音に綺樹が顔を向けた。

まだ微笑が顔に残っている。


「行く?」

「ああ」


フェリックスは再び手を貸して馬に乗せた。

この関係でいられるだけマシなのかもしれない。

フェリックスも馬に乗ると、馬へ合図を送った。

行きずりの相手で無かっただけでも。