Storm -ただ "あなた" のもとへ-


   *

涼とはどうする積りなのか。

一体どういう動きになるのか把握したく、フェリックスは調べを続けさせていた。

それによってこちらの方針と準備が変わってくる。

しかし会いに行くような動きは一向に見えなかった。

綺樹の動きを調べ始めて、それとは別件が気になっていた。

毎日の帰宅が0時前だったことは、まずなかった。

そして睡眠薬の処方。

報告書ごとに量が増えていくのに、とうとうフェリックスはさやかに電話をいれた。


「そうよ。
 勝手に仕事を増やしている。
 実に年俸以上の働きをしてくれているわね」


そう言って笑った。


「さやか」


フェリックスが静かに呼ぶと、さやかは押し黙った。


「何か方法がある?
 別に自虐的になっているわけでもない。
 自暴自棄でもない。
 ただ仕事が好きでそれに打ち込んでいる。
 ただ、間違いなく平均寿命は生きないでしょうけどね」


フェリックスはため息をついた。