Storm -ただ "あなた" のもとへ-


フェリックスをリカバリーして、その後のことは終わってから考えよう。

綺樹は手を伸ばすと、フェリックスの頭を両手で挟み、くちびるをそっと合わせた。

フェリックスが目を開けた。

しばらく綺樹を見つめていたが、フェリックスが今度は手を伸ばした。

綺樹のくちびるに自分のを重ねる。

少し離した後、また合わせた。

かするようにだったり、乱暴にだったりと幾度も重ねあわせる。

綺樹はフェリックスの様子にとまどいながらも応えていた。

最後に綺樹の額にくちづけすると、綺樹の頭を自分の肩に乗せ、また眠りに入っていった。

綺樹はしばらく暗闇を見つめていた。

自分のこれから先。

凝視しても、考えても、何も見えはしないし、浮かんではこなかった。

そのまま綺樹もやがて眠り込んでいった。

とりあえずの逃避へと。