Storm -ただ "あなた" のもとへ-


荒っぽい扱いだった。

しかし綺樹の弱いところは押さえている。

意識が混濁してくる。

綺樹はのけぞりながら、フェリックスの全てを受け止めた。

フェリックスの気が済んだ後も、しばらく二人とも無言でソファーに横になっていた。

フェリックスが背もたれ側で体を横にして、肱をつき頭を支えていた。

綺樹はそれに背をむけ、寄りかかるようにして横になっていた。

綺樹は腕を伸ばすとワイングラスを引っ掛けるようにして持つ。


「飲むか?」


後ろへグラスをさし上げフェリックスに渡す。

フェリックスはちょっと口に含んで味わうと、後は一気に飲み干した。


「美味いな。
 だけど好みじゃない」

「結構いい物なんだぞ」

「女と同じだ。
 いいものだろうけど、好みじゃない」


すげなかった。

フェリックスは身を起こすと自分のシャツを拾い、肩にかけるとバスルームへと行ってしまった。