ドアがノックと同時に開けられ、人が入ってくる。
ソファーの背に上着がかけられる音がして、起こった風が綺樹をなぜた。
外の匂いがする。
体が揺れたのに、ぼんやりと眼を開けた。
フェリックスがソファーに膝をつき、上体を覆うようにして覗き込んでいる。
「ああ。
お帰り」
呟いた。
同時にくちびるがふさがれた。
やっと綺樹の意識がはっきりしてきた。
「フェリックス?」
セーターがたくし上げられ、ズボンのボタンを外される。
綺樹はフェリックスの肩に手を置き、もう片手を頭に添えて、止まらせようとした。
「シャワー、まだなんだ」
聞こえているはずなのに返事が無い。
ちょっと身をよじると押さえ込まれた。
綺樹はシャワーをあきらめた。
「フェリックス。
ベットに行こう」
全然、聞いちゃいない。
一体どうしたのだろう。

