Storm -ただ "あなた" のもとへ-


「だってそういう口調だ」


綺樹は空を見上げ、カーテンに手を触れた。


「そうか?
 それは悪かった。
 だけど誘ったのは事実だろう」


綺樹の触れているカーテンが揺れた。

手を巻きつけるようにして、引き寄せると顔を埋める。


「そうだな」


綺樹がショックを受けた顔を隠したのに気が付いた。

ため息をついてトレーをおしやった。


「最低だな。
 いくらなんでも、今回は寝るべきではなかった。
 私が悪い」

「同じ事だろう。
 間違いだった忘れよう、というのと」


綺樹が笑い、カーテンが揺れた。

フェリックスは息をついた。


「なぜ、これはおまえのためになる?」


綺樹はしばらく答えなかった。

カーテンから顔を離した。

考えるような沈黙をし、フェリックスを見つめていた。

やがて視線を外へ流した。


「私もおまえを救いたかったんだ」