Storm -ただ "あなた" のもとへ-


いい匂いに急に空腹を覚え、水を飲むと薄いトーストを手にした。

ベーコンを載せ、半分に折ってかじる。

咀嚼するうちに頭がはっきりしてきた。

コーヒーをカップに注ぐ。

さて、どうするか。

口をつけて、受け皿に置いた。

綺樹を見る。

冷静に眺めた。

綺樹は肘掛け椅子の肱置きに座り、両手でグラスを挟んでいた。

綺樹もフェリックスを見た。

首筋に傷とあざが出来てしまっている。

さて、何から始末するか。


「で、なんでこんな提案を思いついたんだ?」


少し口元に皮肉っぽい微笑が浮かべた。

綺樹は視線を伏せた。


「さあな」


グラスを両手で挟んだまま回す。

彼女を傷つけたらしかった。

急に疲れた表情を浮かべた。


「忘れた」


ぽつりと呟くと、立ち上がって窓辺に立ってしまった。