Storm -ただ "あなた" のもとへ-


「ご苦労様」


フェリックスもちょっと微笑を作った。

そう言われると思わず膝を折って礼をしたくなる。

さすが女王だ。

フェリックスの苦笑から見抜いたのか、ちらりとさやかの眼が笑った。


「どうかしら?」

「ああ。
 さっき、意識は戻った。
 今は眠っている」


さやかは病室のドアを見、フェリックスを見上げた。


「会ってもいいかしら?」

「どうぞ」


さやかはドアのほうへ足を進めてから、思い出したように立ち止まった。


「そう。
 フェリックス。
 今回もあなたの不祥事みたいね」


肩越しに振り返って見つめてくる。