Storm -ただ "あなた" のもとへ-


   *

すぐに目隠しされたので、連れてこられた場所がどこなのか、はっきりとはわからなかった。

ただ車に乗っていた時間から、そう遠くはなさそうだった。

木の椅子に座らされ、両腕をそれぞれの肘置きに縛られた。

目隠しがはずされると、そこはビルの地下室のようだ。

上の階はクラブなのか、音楽が大音量でかかっていた。

男の内の一人が、口笛を吹きながらナイフを研いでいる。

普通のではない。

傭兵用。

傭兵上がりを雇うということは、見えない敵は、財力はありそうだ。

何が目的なのだろう。

男は満足できたのか、それを手に立ち上がり綺樹に近づいた。


「さあて」


綺樹の顔を丹念に眺める。

そして向かい側に座った。 


「少々、お嬢さんはやり過ぎたようだね」


綺樹は急いで頭を巡らせた。

どのことを言っているのか。

英語の訛りから考えるとスペインの関係か。