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すぐに目隠しされたので、連れてこられた場所がどこなのか、はっきりとはわからなかった。
ただ車に乗っていた時間から、そう遠くはなさそうだった。
木の椅子に座らされ、両腕をそれぞれの肘置きに縛られた。
目隠しがはずされると、そこはビルの地下室のようだ。
上の階はクラブなのか、音楽が大音量でかかっていた。
男の内の一人が、口笛を吹きながらナイフを研いでいる。
普通のではない。
傭兵用。
傭兵上がりを雇うということは、見えない敵は、財力はありそうだ。
何が目的なのだろう。
男は満足できたのか、それを手に立ち上がり綺樹に近づいた。
「さあて」
綺樹の顔を丹念に眺める。
そして向かい側に座った。
「少々、お嬢さんはやり過ぎたようだね」
綺樹は急いで頭を巡らせた。
どのことを言っているのか。
英語の訛りから考えるとスペインの関係か。

