Storm -ただ "あなた" のもとへ-


タクシーの運転手が窓から怒鳴る。

割り込んできた車から男たちが出てきた。

綺樹ははっとした。

肌が粟立った。

後ろを振り返ると同じ状況だった。

いくらダバリードが安定したといえども、危険はいつだってある。

自分の身分を忘れないように。

さやかの言葉が蘇った。

綺樹はぱたりとシートを掴んでいた手を落とすと、ふっと息を吐いて笑った。