Storm -ただ "あなた" のもとへ-


結構な人気だ。

涼は皮肉っぽく思うと窓際に移ってしばらく様子を眺めた。

部屋の温度がまた上がった気がする。

涼は体にかかる重さを感じてため息を付く。

しばらく男たちの背中を凝視していた。

ウィングカラーシャツの上から首から下がっている指輪を押さえる。

ふっと微笑をのぼらせると顔を背けて歩きだした。

遅すぎたようだ。

自業自得だな。

この隔たりは途方も無い。

勢いで会いに来たが、溝を超える手段が無い。

今は。

だが見つけてみせる。

絶対に。

綺樹は人と人の間から涼がいた方を盗み見た。

どきりとする。

姿が無い。

あわてて視線をあちこちに動かした。