好きじゃないって、何度否定してきたん だろう。 好きだって気付いた日から。 初恋をしたその瞬間から。 両想いだって知ったその瞬間。 きっと私の恋心は儚く散ったのだ。 なのに今、私はとんでもないことをしで かしたんだ。 一時の感情に負けて、あんなことをする なんて――― 本当に心から、東野君を好きになれたっ て思ったのに。 もう棗の事は忘れられるって、思ってた のに。 ―――最低だ……、私。 「もう……離してよ……っ」 相変わらず掴まれている腕を、やんわり と払う。