だから私はいっそう、強く暴れるけど、 そしたら苛立ったような杉本が。 「暴れんな。キスされてーのか」 って低く耳許で囁いたから、ピタッと止 まった。 「はやく。棗って呼べば済む話だろうが よ」 「だ、だって―――……」 「春」 耳許で、そっと名前を囁かれて、思わず 胸がドキッと跳ねる。 やだよ……どうしてこんなことするの! ていうか杉本って私が嫌いなんだよね? だったら―――……。 「杉本、本当はキス出来ないでしょ」 「ああ?」 勝ち誇ったようにそう言うと、怪訝そう な声をだす杉本。