「うーん…」



掃除を終えた私は、教卓の前の席に座っていた。



頬杖をついて、腕時計を眺める。

これも教卓の中に煙草と一緒にあった物。


結局見なかったふりも出来ず、悶々と考えてしまっている。



「おっきいなぁ…」



男物の腕時計を興味本位で手首にはめてみる。

当然、私にはブカブカだった。


…これも置いとけばいいよね。

きっと取りに来る…よね?



──ガラッ!



「ひゃっ!?」



そのままにして帰ることを決めたその時、勢いよく扉が開いた。

ビックリした私は、椅子から立ち上がって振り返る。