【短】強引な君

「んじゃ、彼氏にでもやれば?」



「えっ?…か、彼氏なんていないし!っていうか貰ったものを人にあげたりなんてしませんっ!」



「――あァ、お前はそんなことしないか」



フッ、と目を細めて優しく微笑んだ先生。



「……ッ……」



そんな顔──しないでよ。



「と、とにかくっ!…これ」



そう言ってセーターのポケットにいれていた腕時計を出そうとするが──…、



「まあ、待て。こんなとこでそんなモン渡すとこ見られたらどーすんだ。変な噂になっても知らねェぞ?」



「……あ…そ、そか」



素直に頷いた私を見て、先生がフッと笑った。



……なんでだろ?



「放課後──準備室に来い」



それだけ言って、先生はまたヒラヒラと手を振って去って行ってしまった。